ココ本当に東京?世田谷区の「等々力渓谷」の魅力に迫る!

住宅地

等々力渓谷とは

東京都世田谷区の閑静な住宅街の一角にあるのが等々力渓谷です。
ひっそりたたずむような等々力渓谷は緑豊かで清らかな水にも恵まれています。
本当にここが東京と思えるような都会のオアシスですが、その魅力は実に多彩です。

等々力渓谷は武蔵野台地の南端に位置しています。
世田谷区にあるのですが、東京都23区内で唯一の渓谷です。
多摩川の支流となる谷沢川の渓谷となっていまして、その一帯は等々力渓谷公園として整備されていますので、訪れる人も多いでしょう。
武蔵野れき層などの地層や湧水池周辺に茂る湿生植物を観察するのも良いでしょうし、野鳥の声を楽しみながら散策するのも楽しいものです。

川沿いの遊歩道をのんびり散策しよう

等々力渓谷の最寄の駅である東急大井町線等々力駅から5分ほど歩くと、赤い「ゴルフ橋」があります。
そのたもとには「等々力渓谷公園入口」の看板があり、その先にすぐ階段が見えてくるでしょう。

その階段を降りるとそこには別世界が広がるのです。
谷沢川に沿って遊歩道は約1Km続き、生い茂るコナラやケヤキなどの緑の木々を目の保養にし、木漏れ日の中を歩くのは楽しい時間になります。
心地よいせせらぎを聞きながら自然を満喫でき、日頃のストレス等を忘れてしまうでしょう。

野毛大塚古墳

遊歩道沿いの見どころの一つに野毛大塚古墳があります。
玉沢橋を過ぎて階段を上り、玉川野毛公園まで歩くとこの古墳が目の前に飛び込んでくるでしょう。
5世紀初めころに造られたとされる野毛大塚古墳は全長82m、高さ11mにもなる帆立貝形古墳です。
同種の古墳としては最大級の規模と言われる立派なものになります。

等々力渓谷3号横穴

遊歩道の真ん中あたりには、等々力渓谷の崖に面して造られた横穴墓があり、古墳時代後期7世紀に造られたものではないかと言われています。
玄室(げんしつ)・羨道(せんどう)があり、全長は13mで3体分の人骨や土師器(はじき)、須恵器(すえき)などの土器も同時に発見されたそうです。

入口に近づくと自動的に内部のライトが点灯しますので、中がよく見えます。
昔の人の生活が垣間見えるようで、心がそのままタイムスリップしてしまいそうです。

等々力不動尊

横穴を通り過ぎてどんどん進むと、満願寺の別院「等々力不動尊」に着きます。
こちらは約1300年前に、山伏の祖といわれる役小角(えんのおづの。役行者[えんのぎょうじゃ]とも)によって始められました。
境内にあるのは江戸末期の建造の本堂、学問の神様・弘法大師の幼少期の姿とされる像が鎮座する「稚行大師堂」、今でもお経を唱える人が絶えない「神変窟瀧」です。

石段を下りるとあるのは、役の行者が打たれたとされる「不動の滝」です。
その頃は滝の水量が多かったようで、辺りに水が流れ落ちる大きな音が轟いたために「この辺りの地名が等々力」となったという説があります。