東京に住むなら治安も考慮しよう

鍵はきちんと閉めましょう

東京都区部の犯罪件数は年間8.5万件を超え、1日当たり230件の犯罪が発生しています。
犯罪の内訳は万引き24%、自動車の窃盗15%、詐欺9%、暴行7%、傷害3%の順です。
繁華街のように人の集まるところで多い犯罪は暴行、傷害、脅迫などの粗暴犯や詐欺・万引きなど。
一方、人が住んでいるところで多い犯罪は侵入窃盗、空き巣、自転車・オートバイの盗難などになります。
東京で一人暮らしを考えているなら、防犯も考えなければなりません。今回は侵入窃盗・空き巣の手口、どのような物件を選べばいいのかご紹介します。

侵入経路で最も多いのが窓

住居侵入盗で気になるのが侵入経路です。警察庁によると、3階建て以下の住居だと窓からの侵入が多く、手口は無締りの窓からの侵入が多くなっています。
4階建て以上の住居の場合、表出入り口が1番多くなりますが、窓が2位と依然として高いことがわかります。
住宅侵入盗を防ぐには、防犯環境を整えることが重要です。
侵入口に選ばれやすい窓に補助錠や防犯フィルムを貼り付けるほかに、動きを感知すると発光するセンサーライトの取り付けや見通しをよくするために植物の剪定、侵入者の足場になるようなものを置かないなどすることで、犯罪者に狙われにくくなります。

鍵のかけ忘れを防ぐには

短時間でも鍵をかけずに外出するのは、外部からの侵入を招くリスクの大きい行為です。
ちょっとだけと思わず、必ず鍵をかける習慣を身につけましょう。
家を空けるといは鍵をかけるようにすば、かけ忘れを防ぎやすくなります。
それでも、うっかり鍵をかけ忘れてしまうことがあります。鍵のかけ忘れしないための方法について紹介します。

窓からの換気は時間を決めておく

鍵のかけ忘れは玄関だけではなく、窓も含まれます。窓を開けて換気する場合、そのままにしておくと外出時に閉め忘れてしまうリスクが高まります。
人のいない部屋を換気する場合、タイマーをかけておくなどして、開けたら閉めるを徹底しましょう。

施錠確認を習慣づける

外出するときは必ず鍵をかける習慣を身につけましょう。家を出るときに鍵をかけて扉を引くまでを身につけておくと、鍵のかけ忘れを防げます。

電子錠やスマートロックを活用する

どうしても鍵を書き忘れる場合、鍵自体の交換を検討してみください。オートロック機能のある電子錠に交換すれば、自分で鍵をかける必要がないのでかけ忘れもありません。
ただ、賃貸物件の場合、一存で鍵の交換は難しいので、管理会社へ相談しましょう。
工事の必要がないスマートロックという方法もあります。スマートロックはスマホで鍵の操作ができるシステムです。

家人が在宅中を狙う居空きや忍び込み

あえて在宅中を狙った居空きや忍び込みも起きています。
居空きとは家人がテレビを見ていたり、洗濯物を干していたりしている間などに、侵入して金品を盗むことです。
忍び込みとは就寝中に金品を盗んでいくことです。
在宅中は逆に鍵をかけなかったり、セキュリティシステムを解除したりと油断しているところを狙われています。
侵入手口として最も多いのが窓の「無締り」です。在宅時でも玄関や窓の鍵をかけるようにしてください。

不審者と鉢合わせしてしまったら

治安がよいとされる街でも犯罪は起こります。自宅に不審者が侵入しづらい環境を作るだけではなく、何かあったときにすぐに対処できると安心です。
もしも、不審者と鉢合わせしてしまったら、すぐに逃げるようにしましょう。金品が盗まれるよりも自分の身を守ることが最優先です。
家人は自分の家から犯人が出て行ってもらいたいという心理が働き追い出そうとします。
説得したり、闘おうとしたりするのは危険なので、犯人と接触しないように。
密室の中で襲われ、手遅れになることもあり、特に女性の場合、強姦の危険もあることを認識しておいてください。

家に入った瞬間、普段と違うと感じたら

ゴミ出しや買い物など、短時間でも外出した場合は要注意。
鍵をかけたはずなのに、玄関のドアが開いていた場合、家に入らず様子を必ず確認しましょう。
普段と違う気配を感じたら、管理人や警察などに事情を話して一緒に入ってもらうようにしてください。
決して一人で入ってはいけません。

どのような物件を選べばいいのか

東京で暮らすなら気になるのがセキュリティと防犯対策です。女性や初めての一人暮らしならオートロック付きや2階以上の物件を選ぶようにしましょう。

オートロック

エントランスと自室が二重に守られているオートロック付きの物件は、基本的に住民と管理会社の人間しか入れないようになっています。
ただし、住民がエントランスの施錠を解除するタイミングで不審者や部外者が侵入する恐れもあるため、過信は禁物。
オートロック付きであっても防犯意識を持つことは大切です。

防犯カメラ

防犯カメラの設置は侵入者の抑制に効果的です。犯罪を未然に防ぐだけではなく、トラブルが発生した場合の証拠として解決に導くなどのメリットがあります。
エントランスや共用廊下、自転車置き場などの共用部分に設置されるため、物件選びの際、防犯カメラの有無も確認しておくとよいでしょう。

モニター付きインターホン

部屋の中に専用モニターが設置され、チャイムがなると人の顔を確認できる整備で、宅配業者のなりすまし、ストーカー被害などに巻き込まれない予防策として有効です。
モニターではなく、会話できるインターホンの場合、できるだけ自宅ドアにドアスコープが付いている物件を選ぶようにしましょう。

窓用シャッター

窓の外側に、防犯用シャッターが設置されているアパートがあります。1階だけではなく上階の部屋に付けられている場合も。
窓のシャッターを下ろして施錠することで、窓ガラスを割ってからの侵入も防げるため、防犯対策として有効です。

防犯ガラス

2枚のガラスの間に特殊な中間膜が挟まれ衝撃に強い特徴を持つのが防犯ガラスです。
ガラスを叩いた場合、ヒビは入るものの、穴はあきづらいため時間を稼ぐことができ、その間に周囲に気づいてもらえ、通報によって警察が駆け付けるまでの時間を稼いでくれます。
侵入においては5分以上時間がかかれば犯人は侵入を諦めるという調査結果があるので、防犯ガラスも有効な設備です。

物件を選ぶ場合、間取りや立地、家賃だけではなくセキュリティ面の充実もぜひ確認するようにしてください。

不審者の侵入を防ぐには

女性の一人暮らしの場合、ストーカーが家に侵入したり、前の交際相手が合鍵を作っていたりするケースが多く見られます。
しかし「自分は大丈夫!」「オートロックの物件だから安心」など警戒心の低い女性も少なくありません。
何も対策せずにいるといつか危険な目に遭遇する恐れがあります。日ごろから対策しておくことで、事件に巻き込まれるようなことを回避できるかもしれません。

女性専用マンションでも安心できない

女性しか入居できないマンションがあります。近くに男性がいないから安全だと考える方もいますが、女性専用マンションと知って周囲をうろつく不審者は意外といるのです。
もし周囲で不審者を見かけたら、すぐに自宅に戻るのではなく、別の安全な場所へ移動することをおすすめします。

玄関から異音がする

ごくまれに深夜、隣人が間違えたのかドアからガチャガチャと音が聞こえる場合があります。
すぐに音が止んだからと安心してはいけません。鍵の閉め忘れを狙った居空きや忍び込みの可能性があります。窃盗犯だとピッキングでドアを開けてくることも。
2度目があるかもしれないという危機感を持ち、できれば鍵の交換をするようにしましょう。

男性の一人暮らしも要注意

近年、性別関係なくストーカー被害や侵入被害に遭遇する方は増えています。
そのため、SNSに自分の情報を載せないことが大切です。フォロワーの数が少ないからと大丈夫と思っていても、ターゲットにされている可能性があります。
部屋の間取りや構造、周囲の建物から住所を特定することは難しくありません。
自分の身を守るためにも個人情報はアップしないように気をつけましょう。

区の中でも治安のいい区を選ぶ

初めて東京に住む場合、知っている地名の街を選びがちです。ですが、そのような街は人の行き来が盛んで、犯罪率が高い場合があります。
公式のデータから犯罪率を調べることもできますが、利用したいターミナル駅から少し下ってみて、不動産屋さんに聞いてみるのも手です。
周辺で治安のいい駅はどこか、その中でも何口が安全なのかなど、地元ならではの視点で教えてもらうことができます。
警察庁が発表した令和元年10月の犯罪データから治安のいい区をまとめました。

杉並区

23区の最西端に位置する杉並区は、青梅街道や甲州街道に挟まれ、高台にありながら傾斜が少ないのが特徴です。
中でも人気なのが阿佐ヶ谷駅や高円寺駅、荻窪駅で、JR中央線から東京駅まで1本で行けるため人気があります。
気になる治安は人口に対する犯罪率が0.45%と23区内では一番低いため、安心して暮らせるでしょう。

世田谷区

広大な面積を誇り、東急田園都市線、京王井の頭線、小田急線、京王線など複数の路線が通っているのでアクセスしやすいのも魅力です。
三軒茶屋、下北沢、二子玉駅など、おしゃれな若者が集まる街としても有名です。
人口に対する犯罪率が0.47%と、杉並区と僅差で2位となっています。
犯罪発生件数ベースは多いですが、面積が広く人口が多いため、一人当たりの件数に比べると他の区より低い結果になりました。

文京区

東京大学やお茶の水大学など、多くの教育機関が集中する文京区。繁華街や歓楽街がないため、落ち着いた生活ができると人気があります。
白山駅や本駒込駅などは学校へのアクセスがよいため、一人暮らしの学生が多く住んでいます。
治安は世田谷区と同様0.47%です。警察官の多さも特徴で、都心でありながら治安がいいエリアです。